歯科技工士の主な業務は、銀歯と呼ばれるクラウンや入れ歯、インプラント、歯列矯正装置など、歯の見た目や機能を回復させる歯科技工物の製作、修理、加工です。患者に合ったものを作るには正確できめ細かな技術が欠かせないため、手先が器用で几帳面な人が向いているといわれています。
歯科技工士になるには、国家資格が必要不可欠。専門学校をはじめとした養成学校に入学し、最短2年で知識や技能を修得すれば受験資格を得られます。主な勤務先は、歯科医院からの注文を元に歯科技工物を作る歯科技工所をはじめ、歯科医院、病院など。歯科材料メーカーに就職し、歯科技工士が使う機器開発に携わるといった進路も考えられます。職場で実務経験を積んで実力をつければ、独立して歯科技工所を開業することも夢ではありません。
専門学校に進学すれば、口内の仕組み、詰め物の作成など、歯科に関する知識や技術を一から身につけられます。また、現場での見学や実習を通して、将来の就職先をイメージすることも可能。少人数制で丁寧な指導を受けられるところが多く、国家試験や就職活動に向けた手厚いサポートも期待できます。
インタビューで「集中力を発揮するうえで、歯の噛み合わせが大切」と語った田中投手。田中投手のようなアスリートだけでなく、歯の健康維持は、あらゆる人にとって大切な課題です。虫歯になった子ども、きれいな歯並びのため歯列矯正にチャレンジする女性、加齢により自分の歯を失ってしまった高齢者……。歯科技工士なら、こういった歯の悩みを抱える人の笑顔を取り戻すことができます。一人ひとりにぴったりと合うものを作り上げるには技術も経験も必要ですが、その分、歯科治療の中で大きな役割を担うやりがいのある仕事といえそうです。