ブーランジェに求められる資格は特にありません。とはいえパンは世界中で食べられているため、各国で製パン方法が異なり、その分、幅広い知識が求められます。たとえば生地の発酵に必要な酵母菌は、気温や湿気などに大きく左右されることから、適した温度や発酵時間に調整する必要があります。まず就職して仕事をこなしながら学ぶ方法もありますが、専門的な知識を集中して学べて、実習もできる専門学校に通う人が少なくありません。
専門学校には設備と環境が整い、講師陣も現役のブーランジェ。講師のデモンストレーションでしっかり製パンのノウハウを学び、的確なアドバイスを受けながら、イーストの種類、使い方、材料の配合などの専門知識や仕込み、成型、焼成、仕上げの各工程の技術を身につけます。菓子パン、創作パンなどの製法もマスターでき、さらに開業、経営学といった将来に役立つ知識も得られます。
一人前になるには、多くの経験と技術を積み重ねることが重要。製パンは準備から焼き上げまで時間がかかるため早朝から支度し、翌日の準備が夜遅くまで必要になるなど、厳しい道のりが待っています。さらに知識を増やすため、厳しい修業を積まなければなりません。それでも修業を積んだだけパンに精通でき、ブーランジェにしか作れない味わいやバリエーションを生み出すことができるのが魅力。おいしいベーカリーには根強いファンがつきますし、パンの味わいがホテルやレストランの評価を左右することもあります。そうなれば、まさに職人冥利につきるといえるでしょう。
ブーランジェにスポットがあたるドラマは少ないですが、現在の日本では「世界中のパンが食べられる」と言われるほど。どんなシナリオなのか、楽しみですね。