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映画業界>映画製作者>

映写技師

石島修さん1977年3月生
ショクギョウ:出張映写技師(鈴木映画 http://www11.ocn.ne.jp/~sukieiga/)農学部の大学院を卒業。消毒会社に就職するも映画に携わる仕事を諦めきれず、映画祭を主催する「TAMA映画フォーラム」にボランティアとして参加。紹介を受け、鈴木映画に映写技師として転職。有楽町の国際フォーラムや日本武道館などの巨大な会場でも映写を担当するエキスパート集団の一人。
映画を待ってる人がいる。
機材と腕を届ける仕事。

 デジタル化が進む一方で、かえって必要性が叫ばれるフィルムの映画上映。「町おこし」を目的とした映画上映会は全国的に盛んで、フィルムの存在価値は今も衰えていない。
 そこで必要な人材なのが、映写技師。映写機という特別な機械を扱う専門職で、失敗の許されない繊細な仕事。必要なのは気配りと、映写技師としての誇りである。
 職人気質で誇り高く業務をこなす映写技師の石島さんに、現場の苦労ややりがい、そして映写技師になるためのステップを聞いた。



学べる学校一覧

>>きっかけ
諦めなかった映画の仕事。
転職してつかんだ今。
 大学生の頃から映画の仕事に携わりたい気持ちがありました。映画館のもぎり(受付)やレンタルビデオ屋のバイトをしたりして。映画を観ると人はやる気になったり、色んな気持ちが喚起されます。だから提供する側に回りたかったんです。
 しかし就職活動がうまく行かず、映画関連の会社は惨敗。生活のために害虫駆除などの消毒会社に3年ほど勤めました。それでも映画への気持ちを諦めきれず、映画祭を行う団体「TAMA映画フォーラム」のボランティアをやっていました。
 そこのスタッフに、今の会社である「鈴木映画」を紹介されました。芸術選奨文部科学大臣賞文化勲章(第54回)の受章者である社長が、デジタルではなくアナログのフィルムに重きを置いて立ち上げた「フィルムの映写専門会社」でした。こちらに転職し、映写技師として勤め始めて3年になります。 

>>仕事について
資格は不必要。
映画上映を成功させる裏方。
 映写技師に国家資格はありません。映画『ニュー・シネマ・パラダイス』でもあったように昔はフィルムが燃えやすい材質で出来ていて、火事になる危険性がありました。その頃は資格があったようですが、今のフィルムは燃えないので、資格自体がなくなりました。
 鈴木映画では、大きく2つの仕事をしています。まずは「技師派遣」。公共ホールなどに呼ばれ、映写技師としての「腕前」だけを持っていく仕事です。機材は備え付けてありますから、後はフィルムをセッティングして主催者と上映開始のタイミングを打ち合わせ、終わったら後片付けをするまでが仕事です。
 次に「出張映写」。機材を持たない小学校や地域の上映会主催者に依頼され、「機材と腕前」を持っていく仕事です。自前の映写機(16mmもしくは35mm用)、音響設備、スクリーンを車で搬入し、セッティングをします。後は技師派遣と同じですが、機材備え付けの会場ではなく、屋外の場合もあり、上映を成功させるための準備に一苦労します。 

>>こんな苦労も
体力よりも精神力。
常に自分との闘い。
 上映が無事に終わるまでの緊張感は相当なものです。スクリーンに投影する角度や光量、1本15分程度のフィルムを寸断せずに連続して投影させるタイミング、1つでも間違えれば「失敗」です。慣れ親しんだ会場ならともかく、初めて訪れる会場では今も緊張します。
 昔は多少のトラブルがあっても「まあまあ」とお客さんが許してくれる大らかな雰囲気があったそうですが、今は責任問題も厳しく、何よりお客さんに有料で来てもらっている以上、失敗は許されない仕事です。かつて後楽園という大きな会場で映写した際は、社長もストレスで髪が抜けたと聞きます。
 体力的には機材を搬入、搬出する程度で問題ない仕事ですが、ミスをしないよう細心の注意を払うところが苦労する点ですね。 

>>やりがい
お客さんの笑顔を見るために。
先輩に追いつけ、追い越せ。
 だから私もまだまだやらなければならない点がたくさんあります。映写技師には繊細な映写機を扱う器用さや丁寧さが特に必要ですが、私の場合はまだまだ。しかし会社の先輩方はきっちりこなしています。突き詰めて気配りできる性格をもっと見習わなければなりません。そんな先輩方に追いつくことが、今の私のやりがいです。
 何より機材をセッティングすることが好きなんですよ。会場ごとに映写機のメーカーも異なれば、スクリーンのサイズも客席の角度も違う。条件が異なる中で、いかに会場に相応しい準備ができるか。基本中の基本ですが、そのことに頭を巡らす毎日です。
そうして上映がうまくいき、たくさんのお客さんが満足気に帰って行かれる顔を見ると、やっぱり嬉しさを感じますね。 

>>最後に
門戸の狭い希少な職種。
まずは身近なコネクションを。
 映写技師は実際にやってみないとよく分からない仕事です。なりたいという人がたまに会社に来ますが、ほとんどの人はどんな仕事かよく分かっていません。また、なれるチャンスもはっきり言って少ないです。資格が要らないとはいえ会社自体が少ないですし、今はデジタルでボタン操作するだけの映写機もあり、アルバイトで事足りる場合もあります。フィルムを扱う映写技師は希少で、貴重な職種だと思います。
 どうしても映写技師になりたい場合は、どこかでコネクションを作ること。映画の上映団体でボランティアをするなど、実行委員とつながって、気に入られることが大事です。映写技師の会社は少人数がほとんどで、現場に2人だけで行くこともあります。仲間とうまくやれる性格じゃないと難しいでしょうね。頭でっかちな単なる映画好きには務まらないように思います。 

天職人データ
収入: 専業主婦の妻と子2人、問題なく養えている。鈴木映画の場合、社員数が少ない分、社員に対する待遇は良い。


2台の35mm映写機が並ぶ映写室。ここが石島さんの仕事場。


映写機のメーカーごとに異なる手順を把握してフィルムをセッティング。


複数本からなる一本約15分の映画フィルムを2台の映写機で交互に映す。


繊細な機械である映写機をメンテナンスする映写技師必須の携帯アイテム。


上映を終えたフィルムは巻き取って元の状態に戻す。

 

天職人データ

11:00
出社
現場に直接向かう場合も。機材は会社にあるので、出張映写の日はまず会社に集合。
 
13:00
移動
車に機材を積み込み、今日は現場の公共ホールへ出発。昼食も済ませておく。
 
14:00
到着
上映会場に到着。開場1時間前まで機材をセッティング。主催者と打ち合わせも。
 
18:00
開演
1時間前に開場し、お客さんが入場したところで上映開始。
 
20:00
終了
上映終了後、映写機のメンテナンスやその他機材の搬出作業を行う。
 
22:00
解散
この日の仕事はここまで。また明日、新たな会場で映画を待っている人がいる。

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