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製菓業界>製パン職人>

ブーランジェ(カフェ系)

奥田雅紀さん1980年3月生
ブーランジェ(パン職人):株式会社かめいあんじゅ
http://www.anjou.co.jp
キャリアプロフィール:高校卒業後、「エコールキュリネール 大阪あべの 辻製パン技術専門カレッジ」に入学。卒業後、株式会社かめいあんじゅへ就職。東生駒アルション勤務を経て、現在、アルションピーコック北大和店店長を務める。
その日の気温や湿度で
焼き上がりが微妙に変化。
デリケートなパン作りに挑む。

ブーランジェとはパン職人のことで、パティシエ(お菓子職人)と並び、男女を問わず人気職業の一つ。しかし、一人前になるには10年はかかるという厳しい世界でもあります。現在の会社に入社後、わずか数年で系列店の店長にまで抜擢された奥田雅紀さんは、日本でも数少ない本格的な石窯を使ってパンを焼くことにこだわっています。「パン作りに欠かせないイースト菌は生きモノ、油断をしたらバカにされるが、精魂込めれば必ず応えてくれる」と話します。



学べる学校一覧

>>きっかけ
初めて食べた“明太フランス”に感動
パン職人になりたい!
ボクは元来、和食党。子どもの頃からパンと言えば、食パンぐらいしか食べたことがありません。ところが、高2の冬、たまたま食べた“明太フランス”がものすごくおいしくて、ちょっとオーバーな言い方かも知れないけれどその味に感動したんです。
「将来、こんなパンが焼きたい!」。
そう決めたらあとは一直線。高校卒業後、製パン技術を教える専門学校へ入学しました。
それまでは、花火職人になるのが夢だったんですけどね。でも、どちらもモノづくりであること、そして人に感動を与えられるってことが共通しているでしょう。
学校では、パン作りの基本を徹底的に学びました。現場で応用させるのも基本が大事ですから、とにかく必死で勉強しました。
卒業前に最後にテストがあり、初めてたった一人でフランスパンを作ったのですが、ほとんどできなかった。 点数は100点満点の50数点。ボクは1年間何を勉強していたのかと情けなくなり、同時にこの世界は、とにかく経験を積むことなのだと痛感しました。 
就職活動をするなかで、この会社に入りたいと思ったのは、薪を熱源とするスペイン製の『石窯』を使ってパンを焼いていたからです。それは日本でも数基しかないという、直径3.75mの大規模な窯で、見学しただけなのにワクワクしてきました。 

>>職業について
日本で数基の石窯でパン作り
人と違ったことをする喜び
パン作りの基本は、必要な材料を混ぜ合わせて生地を作り、分割・成形した後、発酵させて窯で焼く。職人になるための資格もなく、そんなにとっつきにくいものではありません。しかしながら、材料配分や発酵時間、窯の温度調整など、製造工程での微妙なミスが失敗につながるという大変デリケートで手のかかる作業です。
その当時、入社した最初の1ヶ月はパン生地にさえ触らせてもらえず、ひたすら掃除をさせられました。これぞ職人の世界って感じでした。“先輩と後輩の社会”がきちんとできあがっており、各ポジションに分かれ、自分の責任を全うしていました。新人はみな、先輩の手の動きを見ながら工程を体で覚えていくのです。
いよいよパンが焼かせてもらえる段階になっても、最初は電気窯(オーブン)が担当で、ボクの場合は1年後にあこがれの石窯が許可されました。
この石窯ですが、薪を熱源にした窯の放射熱でパン生地に対して包み込むように火が入り焼き上げるので、表面はパリッとして、中身はもちっとした食感になるのが特徴です。しかし、火の管理(温度調節)がとても難しく、パンが焼ける温度(200度以上)を保つために、その日の天候や温度、湿度などを掌握しパンの発酵のタイミングに合わせて薪の量を加減しなければなりません。窯から取り出したパンは、薪の香りがほのかにして豊かな味わいがあります。 

>>こんな苦労も
遊び心を大切にして
失敗も成功にかえてみせた
パン作りでの苦労は数知れず。とくに石窯は温度管理さえきちんとすれば、誰でもうまく焼き上がるのですが、薪を使っての手作業のため難しく、ごまかしがききません。表皮が厚かったり、中身がパサパサだったりと、情けない姿のフランスパンを何度焼いたことか…。でも結局、自分自身で体得するまで焼き続けるしかないんですよね。
だけど、失敗から生まれた新商品もあります。ある時、イースト菌の入れ忘れで膨らまないパン生地ができたので、試しに薄く伸ばして焼いてみたんです。すると煎餅のように焼き上がり、砂糖をまぶしてみたらこれがおいしい! そこで、生地にライ麦を入れ、クルミやレーズン、ガーリックなどで味付けし、お客様に試食してもらったら大好評でした。これが人気メニューの「ガレット」で、遊び心的な発想が功を奏したってことですね。 

>>やりがい
パンは庶民的な食べ物だから
老若男女に味わってもらえる
すごくうれしかったのは、初めて自分が焼いたパンを店に並べた時。でも「ほんまにボクが焼いたパンでええのん?」って気持ちでした(笑)。
パンはその日の天候や気温、湿度で味が微妙に変わってきます。極端な話、夏と冬でも作り方が違います。それはパン作りに欠かせないイースト菌が“生きモノ”だから、見ているだけでも膨らみ具合が分かるんです。その日の発酵具合を見ながら、コントロールして一番いい状態で分割・成形して焼いていくのですが、最初のころはパンに踊らされます。
でも、それがまたおもしろいところで、生地の調子や発酵の良し悪しは言葉で教えられるものではなく、自ら経験していかないと身につかない。その発酵具合や焼き加減で味が微妙に変わるんです。そんな時はすぐお客様からご指摘をいただきます(笑)。そして、あとはどれだけ貪欲にパンと向き合うかです。一人前のパン職人になるには、約10年かかると言われていますが、ボクの場合、今で9年目です。まだまだ半人前と思い日々精進しています。
パンは特定の人しか買えない高価な商品ではなく、人々の生活のなかで身近なものだから、老若男女、みなさんに買ってもらえるということにやりがいを感じます。 

>>最後に
モノづくりは体験や経験で学ぶ
手抜きしないでがんばれ!
モノづくりは、体験や経験で学ぶことがほとんどです。どれだけ熱心で情熱的にそれらと関わることができるかで将来が決まるのでは? そのために専門学校で基本を学ぶことは大切ですが、そこで最終的に自分が腹をくくる覚悟で取り組まないとなんの意味もありません。目標を大きく持ってしっかり学び、そしていっぱい悩んだらいい。 
ボクの通っていた専門学校は、全国から学生が集まり、同時に全国区の友だちができました。ここで出会った友だちは、生涯の宝モノになるはずです。社会に出ると人とのつきあいは幅広く複雑になり、たくさんの辛いことが待ち受けていると思います。そんな時に助けてくれるのが同じ志を持って集まった学校時代の友達だったりします。だから、ボクもこれから待っているさまざまな出会いを楽しみたいですね。モノづくりをしていてもやっぱり人との出会いの中で自分が成長すると思うんです。
将来の夢は自分の店(レストラン)を持つこと。ベースはもちろん手作りパン! 自分の焼いたパンにピッタリ合う、庶民的な料理をお出ししたいんです。 

天職人データ
収入: うちの会社は“責任給”という形態。現在ボクは役職(店長)に就いているので、27歳という年齢的には満足のいく金額です。
趣味: 食べ歩きやドライブ。オンとオフでしっかり差を付けたいですね。


電気窯での菓子パン作りを経て、やっと石窯で焼かせてもらえる。普通ならここまで10年かかる。


石窯のなかを1周する間に、表面パリッ、中身もっちりのパンが焼き上がる。初めて焼いたのが食パンだった。


石窯の熱源となる薪は、奈良と三重の県境から切り出した「サクラ、クヌギ」などを乾燥させて使っている。夏は蒸し風呂状態でメガネが溶けたこともある。


添加物一切ナシが当店の自慢。自分が焼いたパンが店に並んだ日、お客様においしいとほめていただくと最高!


これが失敗から生まれたパン「ガレット」。生地を工夫したり、トッピングの材料を増やしたりするうち人気商品に。


今、当店では5人でチームを組みパンを焼いている。パン作りは、どの工程で失敗したの か分かりにくく、原因は無限大にあるのでコミュニケーションを大切にしている。

 

天職人データ

5:30
出社
現場入り
石窯に薪を入れる。生地ができているのでそれを焼く。
 
12:00
薪をくべて窯の温度を上げる。成形などのポジションへ入る。
 
13:00
休憩
 
14:00
仕込み、分割・成形(生地作り)
 
16:00
時には新商品の試作(帰宅することもあり)
 
18:00
デスク
ワーク
レシピのまとめやその日の石窯の温度チェックなどのデスクワーク。
 
20:00
帰宅
朝が早いので、帰宅は早めを心がけています。

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